黄砂って一体どこから来るのでしょうか?
そして、どうやって私たちのところまで届くのでしょうか?
この記事では黄砂がいつ飛んでくるのか、一番多く飛んでくる時期はいつからいつまでなのか、体に害はあるのか…などについて詳しくお伝えしていきます。
黄砂の時期|いつからいつまで飛んでるの?
実は黄砂は1年中、日本列島に飛んできています。
しかし1年の中でも特に2月頃から黄砂が増え始め、1番多くなる時期は3月~5月です。
この時期を過ぎ、6月になると日本では梅雨の季節を迎えますので黄砂の飛来は減ります。
梅雨の雨が空中の砂を洗い流し、地面に落とすためです。
夏になると西の風の影響も弱まり、黄砂が日本に運ばれてくる量も少なくなります。
その為、黄砂の影響を受ける期間は限られており、梅雨が始まるとともに黄砂の季節も自然と終わります。
なぜ 3月~5月に黄砂がたくさん飛ぶの?
ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠、モンゴルの黄土高原などの乾燥・半乾燥地域が黄砂の発生源となっています。
これらの地域では、雪が解けて露出した地面が、この時期になると乾燥し、砂塵嵐が起こりやすくなります。
それに加えて大陸から日本へ吹く西風の条件が重なることで、3月~5月に黄砂がピークとなります。
気温が上がり風の影響が弱くなると、黄砂の季節も終わりに近づきます。
そもそも黄砂って何なの?
ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠、モンゴルの黄土高原などの乾燥・半乾燥地域では、強風の影響で砂塵嵐が発生し、土壌や鉱物粒子が数千メートルの高さにまで巻き上げられます。
それらが偏西風に乗って中国や韓国、そして日本にまで飛んできてしまい、大気中に浮遊したり地面に降り注いだりします。
これらの現象のことを「黄砂」と呼びますが、実際に飛んできた土壌や鉱物粒子のことも黄砂と呼びます。
大気中に漂った砂は時間とともに地面に降り積もり、黄砂として観測されることになります。
黄砂って体に悪いの?
黄砂が体にどのような影響を与えるのか…と言うことについては、日本を含め他の地域でも調査や研究が実施されています。
しかし未だに解明されていない点が多くある為、現在も調査や研究が続けられています。
・アレルギー症状
・呼吸器系の疾患
・循環器系の疾患

アレルギー症状
黄砂が飛ぶことで、目のかゆみや結膜炎、鼻水などのアレルギー症状を起こすことが分かっています。
黄砂の量が多い日は、アレルギー症状を起こす人も多いと報告されています。
また、スギ花粉と黄砂の時期が重なる為、スギ花粉症の方は特に注意が必要です。
黄砂が多い日に外出時間が長いとアレルギー症状が出やすいと言われていますので、なるべく外出を控えるようにして下さいね。
呼吸器系の疾患
黄砂がたくさん飛ぶことで、呼吸器系の病院を受診する人が増えることが分かっています。
お子さんに多いのが呼吸機能の低下です。
また、お子さんや高齢者の方が喘息で入院するケースも、この時期になると増加します。
喘息を患っていない成人の方でも、黄砂の量が増えると咳が出るなどの症状を訴える人が増加します。
黄砂が影響して肺炎で入院する人の数が増えることも調査で分かっています。
循環器系の疾患
黄砂の影響で脳梗塞や心筋梗塞を発症したり、またはそれらの病状で入院する人の数が増加することが分かっています。
高齢者や慢性腎臓病、糖尿病などの既往歴がある方は、循環器系の疾患を発症するリスクが高い為、黄砂が多く飛ぶ時期には特に注意が必要です。
まとめ
黄砂は2月頃から増え始め、3月~5月が最も多い時期となります。
この現象は中国大陸の砂漠地帯から西の風に乗って運ばれてくる細かな砂粒によって引き起こされます。
黄砂は健康や日常生活に様々な影響を及ぼします。
その為、黄砂が多く飛ぶ時期には外出時にマスクをし、室内では空気清浄機を使ったり、窓を閉めて室内の空気をきれいに保つなど、黄砂から身を守る必要があります。
黄砂が多く飛ぶ日には、特にアレルギー症状や呼吸器系の疾患、循環器系の疾患などを発症する人が増加するとの報告があります。
その為、黄砂の飛来情報に注意を払い、特に多く飛散すると予測される日には屋外活動を控えるなどの対策も効果的です。
黄砂は自然の力によって起こる現象なので完全に避けることは難しいですが、そのメカニズムを理解し、適切な予防策を講じることで、黄砂による影響を最小限に抑えることが可能となります。