日本のよく知られている迷信の１つに「夜に爪を切ってはいけない」と言うのがあります。
では、なぜ夜に爪を切ると良くないとされているのでしょうか？
この記事では、この風習がどのようにして生まれ、現代社会でどのように受け止められているのかを探ります。
夜に爪を切ってはいけない｜ダメな理由とは？
夜に爪を切ってはいけない理由には諸説ありますが、いくつかご紹介していきますね。
「寿命が短くなる」という意味に繋がるから
夜に爪を切ることを「夜に爪を詰める」とも言い換えることができる為、略して「よづめ」が「世詰め（よづめ）」となり、人生を詰める、すなわち「寿命が短くなる」と言う発想に繋がりました。
暗い中で爪を切るとケガをする可能性があるから
昔の日本は現在のような明るい照明がなく、ロウソクやあんどんなど、夜間の照明が限られていました。
その為、夜に細かい作業を行うとケガをする可能性が高かったのです。
特に医療技術が発達していない時代には、些細な傷が深刻な問題につながることもありました。
そうした危険を少しでも避ける為の知恵として、古くからこの迷信が広く伝わりました。
不道徳な行為だと見なされていたから
日本の古代から中世にかけて、髪や爪などの身体の一部を切り離す行為は特別な意味を持っていました。
夜は道徳や秩序が異なるものと考えられており、夜に爪を切ることは不道徳な行為だと見なされていたのです。
親が子供たちに「夜に爪を切ってはいけない」と言うことで「不道徳な行為をしてはいけない」という教育へと繋がって行きました。
「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」の意味とは？
「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という迷信もよく耳にします。
この迷信が生まれた理由にも諸説あります。
親よりも早く寿命が来てしまうという意味合いから
夜に爪を切ってはいけない理由の1つ目にもご紹介しましたが、夜に爪を切ることを「夜に爪を詰める」とも言い、「よづめ」が「世詰め」となり、自分の寿命が短くなることを意味します。
自分の寿命が短くなると言うことは、親よりも先に亡くなってしまうと言うことになり、すなわち「親の死に目に会えない」という意味合いになりました。
戦国時代の「世詰め」と語呂が同じだから
この迷信は、戦国時代の「世詰め」がルーツだと言われています。
戦国時代には夜間に城を警備する重要な務めがあり、そのことを「世詰め」と呼んでおりました。
この時代の「世詰め」は、とても重要な任務であったことから、何があっても持ち場を離れることが許されなかったと言います。
その為、「世詰め」は親の死に目に会えないほどの重要な任務とされ、同じ語呂である「夜爪」から「夜に爪を切ってはいけない」と言う言葉と繋がり、タブーとされてきました。
現代におけるこの迷信のメッセージとは？
「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」と言う迷信は、実は現代人への重要なメッセージも含んでいます。
忙しい日常の中でも家族との時間を大切にし、自分自身と家族の健康を顧みることの重要性を伝えようとしています。
夜に爪を切ると縁起が悪いって本当？
「夜に爪を切ると縁起が悪い」という言葉も聞いたことがあると思います。
その他にも「夜に口笛を吹くとヘビが出る」など、夜に関係する迷信が幾つか存在します。
これらの迷信は、遅くまで起きていてはいけないという意味合いがあり、親が子供をしつける為に語り継がれてきたとも言われています。
その為、「縁起が悪い」という合理的な根拠は全くなく、あくまでも迷信と言うことですので、心配する必要はありません。
夜の爪切りがOKな時間帯ってあるの？
「夜に爪を切ってはいけない」と言う迷信を気にされている人もいて、では何時までに爪を切ったらＯＫなのか、その時間帯を知りたい人もいるようです。
結論から言うと、時間帯に縛られる必要はありません。
重要なのはリラックスして安心して爪を切れる環境を整えることです。
季節によって日の長さが異なりますが、そういったことも特に気にすることはありません。
現代の照明技術は発達している為、昔のように夜や暗闇を恐れて爪を切ることを控える心配もなくなりました。
まとめ
この記事では「夜に爪を切ってはいけない」という迷信についての意味をご紹介してきました。
最初に物事がうまく行った時や災いを避けることが出来た…などの事柄がキッカケとなり、昔の人がそれらを言い伝えることで迷信が生まれました。
それらに科学的な根拠はなくても、その言葉を信じることで人々が安心して行動したり、不安を取り除けたり…と多くの効果があるようです。
現代でもこれらの迷信から多くのことを学ぶことが出来ます。
うまく取り入れることで、自分の生活や健康を見直す良い機会となるでしょう。
